学園出版物

新時代の“学び”考 ― 究極のテ-マはいかに生きるか

著者:久住 眞理
出版社:大学教育研究所
ISBN:9784924887046

新時代の“学び”考 ― 究極のテ-マはいかに生きるか  本書では、日本初の通信制専門私立大学を開学するに至った著者である久住学長の思い、最近日本でもようやく高まってきている教養教育(リベラルアーツ)大学の先駆けとなった人間総合科学大学の精髄に脈々と流れる思想の原点と、人生の意味を深く求められる自立した社会人の育成を目標とする今後の展望をお伝えし、進化し続ける「人間総合科学大学」の変遷について紹介します。

目次
はじめに
第1章 生涯学習大学の誕生
第2章 何を新しい概念・手法としたのか
第3章 私が学びにめざめたわけ
第4章 VIRTUAL対談 日野原重明先生との対話

購入方法

全国の紀伊国屋書店にて販売しております。また、最寄りの書店でのお取り寄せよる購入も可能です。
お近くに紀伊国屋書店店舗、書店がない場合は、下記オンライン書店でお求めください。

紀伊国屋BookWeb

心身健康科学シリーズ

監修/久住眞理
(人間総合科学大学学長 学校法人早稲田医療学園理事長)
Knowledge for well-being
「健康」のキーポイントはこころとからだの関連性を知ること

 「こころ」と「からだ」の働きを相互に関連付けている法則性を科学的・客観的に理解し観察する力は、「よりよく生きる」ために必要であり有益である。  人は、からだが病気を患っていたとしても、こころまで病ませてはならない。逆にこころが病んでいるからといって、からだまで傷めてはならない。心身の相関の観点に立つとき、そこに意思を働かせ、心身両者のバランスをとることで、より賢く生きることができる。 -「心身健康科学概論」より-

心身健康科学シリーズとは

 21世紀が「こころの時代」といわれるようになって久しい。私たちが健康を考える場合にも「心」の部分が大きく取り上げられるようになった。心身健康科学は、この人間の心と身体の有機的な関連性に着目し、その心身相関が示す諸現象を科学的・理論的・実証的に体系づけ、人間の健康を相対的に考究することを目的としている。従来の健康科学といわれる領域に加えて生命科学、行動科学、ストレス科学、心身医学、基礎医学、生命倫理学、文明科学など、多様な領域を総合的に俯瞰・統合して、人間の「こころ」と「からだ」の相関性、及び生命現象のメカニズムを解明しようとするものである。
 長寿社会にあって、「生涯健康」の重要性は高まりつつある。「心」「身体」の健康について科学的な根拠に基づく健康施策・医療措置が求められ、また同時に、科学技術は精神の解明へ向かおうとしている。物質から生命の解明の時代を経て、心の解明を科学の対象とするとともに、心身の健康を基盤に置き、実生活を視野に入れた科学のあり方が時代の要請となっている。
 本シリーズでは、心身健康科学の視点から、現代の健康課題や心身の健康問題を科学的なアプローチによって解決することを目指し、さまざまな領域の知見を横断的にまとめている。本シリーズが、生活者の心身の健康増進の活動に寄与し、将来の人類の幸福を追求する一助となることを求めるものである。

心身健康科学概論

心身健康科学概論  人間の「生」「病」「老」「死」を連続的な変化であると考え、よりよく生きるための知恵を"Knowledge for well-being"として提示。メンタルヘルス、ヘルスプロモーションについても考察します。従来の健康科学の領域や脳科学、免疫学、認知科学、老年学、女性学、ストレス学などを「心身健康科学」として統合的に編集しています。

目次
第1章 心身健康科学のめざすもの
第2章 心身相関の基礎
第3章 心身の相関性を理解する
第4章 心身健康科学の展開
終章 心身健康科学の展望-体系化から一般化へ

監修:久住 眞理
著者:鈴木 はる江・福田 潤・新井 康允・久住 武・藤田 紘一郎・小林 修平・近藤 昊・佐藤 優子・筒井 末春・川口 毅・青木 清
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383343

ストレスと健康

ストレスと健康  時代や社会の変化と密接に関連するストレスの様相を見ながら、現代的なストレスが何に起因しているかを捉えます。最新の脳科学やストレスに対する生体反応などをふまえてストレスの統合的な見方やしくみを理解していきます。ストレスのメカニズムから克服のための心理的、身体的、統合的なアプローチまでがまとめられた一冊です。

目次
第1章 ストレスと健康-統合的考察-
第2章 ストレスと生理学的基礎-ストレスとホメオスタシス
第3章 ストレスと脳-ストレスの脳機能に及ぼす影響
第4章 生理的ストレス反応の測定
第5章 ストレスとメンタルヘルス

監修:久住 眞理
著者:筒井 末春・福田 潤・久住 武・鈴木 はる江・小岩 信義
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383350

心身医学

心身医学  全人的医療が叫ばれる中で、重要な位置にある心身医学。近年、健康状態と健康障害との連続した状態として心身症や近接精神疾患がとらえられるようになっています。本書では、新しい健康理論である健康生成論やポジティブな生き方の問題について触れています。「よりよい生き方」の実践のための心身医学という特徴的な専門書。

目次
第1章 心身医学序説
第2章 心身医学理論
第3章 心身医学的診断
第4章 心身医学的治療法
第5章 代表的な内科系心身症
第6章 ライフステージからみた病態とがんの心身医療
第7章 近接領域の精神疾患

監修:久住 眞理
著者:筒井 末春・大谷 純
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383367

行動科学概論

行動科学概論  人間の行動と社会性に関して科学的に解明すること目的とした行動科学ですが、本書では、人間の「こころ」と「行動」に焦点を合わせ、対人行動と社会行動、行動科学と心身医学、行動科学と行動医学療法など、健康な心身を築くための診断、治療についても解説しています。また、健康科学における新しい考え方である健康生成論や、新しいタイプの心身症などの記載も充実させ幅広い視野から行動科学を扱っているのが特徴です。

目次
第1章 人間理解としての心理学
第2章 行動の生物科学
第3章 個人の理解
第4章 ライフスタイルと発達心理学
第5章 対人行動と社会行動の理解
第6章 人間行動の文化・社会的側面
第7章 行動医学と心身医学
第8章 行動理学療法

監修:久住 眞理
著者:筒井 末春・大谷 純
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383374

生命科学概論

生命科学概論  人間はどこから来て、どこに居て、どこへ向かうのか……20世紀の後半から21世紀にかけて、そして現在、生命科学はこの疑問にさまざまな解答を導き出しています。本書の特徴は、生命とは何かという点を、ヒトの基本構造や生命の単位といった基本的な内容に加え、人類進化と生命の誕生から、性と生殖や脳の性分化までを、男の脳・女の脳の第一人者がわかりやすく解説した教科書となっています。

目次
第1章 生命とは何か-生命の起源と進化-
第2章 人類の起源と進化
第3章 人の体の基本構造
第4章 生命の単位-細胞
第5章 生命現象を支える化学物質
第6章 遺伝子の発現と調節
第7章 ヒトの性と生殖-精子と卵子の形成
第8章 ヒトの生命の誕生
第9章 男と女の体はどのようにして作られるか-精巣と卵巣はどのようにきまるか
第10章 男と女の体はどのようにして作られるか-内・外生殖器官はどのようにして決まるか
第11章 男の脳と女の脳-脳の性分化

監修:久住 眞理
著者:新井 康允
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383381

生命倫理学

生命倫理学  クローン、ヒトゲノム、遺伝子技術、出生前診断、万能細胞など医療技術の進歩とともに、私たち人間の生命の解明が進んでいます。その一方で、人間の生命、特に生命の尊厳と、自己決定と自己責任の問題が私たちの身近な問題としてクローズアップされているのです。今、生活者に必要な生命倫理の「知」を広く解説しています。

目次
第1章 人間の生存とバイオエシックス
第2章 生命倫理に関する諸問題
第3章 ヒト・ゲノム研究
第4章 脳死と臓器移植
第5章 医療における倫理-患者の自己決定権とは
第6章 生命・いのち・倫理
第7章 遺伝子治療
第8章 生殖補助医療による出産前診断
第9章 安楽死と尊厳死
第10章 人間の存在を考える
第11章 環境倫理

監修:久住 眞理
著者:青木 清
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383398

人体の構造と働き

人体の構造と働き  よりよく生きるために、先ず自分のからだの事について知ろう。身体とココロの関係を知るための身体の側面からの俯瞰が本書の基本姿勢です。身体機能の調節には様々な要素が複雑に関係しているが、本書においては、先ず、身体各部の構造と機能の正常な状態を理解し、身体の健康と心の健康が密接に関係している事を理解できるように取り上げています

目次
第1章 人体のつくり-細胞と細胞の環境
第2章 血液-血液と血漿の働き
第3章 循環器系-血液を循環する仕組み
第4章 呼吸器系-酸素と二酸化炭素の交換
第5章 消火器系-食物の消化と呼吸
第6章 栄養素と代謝-栄養素の働き
第7章 体温調節-体温を保つ仕組み
第8章 泌尿器系-尿の生成と排泄
第9章 内分泌系-ホルモンの働き
第10章 生殖機能とヒトの一生
第11章 神経系-身体機能の調節
第12章 運動器系-骨格と骨格筋の働き
第13章 感覚器系-環境情報の受容
第14章 ホメオスタシスの維持と自律神経

監修:久住 眞理
著者:久住 武・鈴木 はる江・鍵谷 方子・佐藤 優子
発行:人間総合科学大学
ISBN:99784877383725

文明科学概論

文明科学概論  本書は、脳の発生と進化、人間の特異性など自然人類学的なヒトの進化の側面・人間が創造し発展させてきた文化を構造的に検証する文化人類学的側面・人間のみが創造してきた宗教的側面・科学技術の側面から現代文明の問題点を明らかにする……といった、これまでの文明論、文化論では語り得なかった広範な領域から、人間とその文化・文明の本質を鳥瞰する書です。  

目次
第1章 文明誕生への序章-ヒトの脳と行動の進化
第2章 文化の理解
第3章 宗教と人間-人間に宗教は必要か
第4章 現代文明の諸問題-技術文明の高度化

監修:久住 眞理
著者:青木 清・菊池 京子・ひろ さちや・加藤 尚武・大東 俊一
発行:人間総合科学大学
ISBN:9784877383732

購入方法

全国の紀伊国屋書店にて販売しております。また、最寄りの書店でのお取り寄せよる購入も可能です。
お近くに紀伊国屋書店店舗、書店がない場合は、下記オンライン書店でお求めください。

紀伊国屋BookWeb
amazon

 

HAS(Human Arts and Sciences)第8号 特集
健康長寿のすすめ―心身ともに豊かな"老い"をめざして

HAS8号 豊かな「老い」を実現する、新しい「自立」と「共生」

 今回の生涯学習特別講義は「健康長寿のすすめ―心身ともに豊かな"老い"をめざして」
というテーマで、老年学、栄養学、生化学といった幅広い領域から、「老い」の問題とその生き方を考えて みました。
 今、日本の「老い」の問題で何が問われているのか……マクロな視点からみれば少子高齢化の現象は、 他の先進国と同じように、日本の社会に大きな変革をもたらしていますが、ひとつに、経済中心の社会の 在り方があらためて問い直されて、地域や人々に新たな「自立」が迫られています。また「老い」社会ととも に訪れる人口減少は、否応なくグローバルな社会を形づくっており、さまざまな人々(民族や国民の異な る人々を含み)の新たな「共生」という課題を生んでいます。そこに未婚や離婚の急増や、家族ネットワー クの弱体化が加わり、「老い」を取り巻くシステムを根本的に考え直す必要があるといわれています。
 その現状のもとで、私たちには、どのように生きていくのか、どのような生活像を持ち、どのようにそ れを実現していくのかを考えなければなりません。
 このとき最も重要となるキーワードが、新しい時代に合った「自立」と「共生」の実践、あるいはこれまで 言われてきた「自立」と「共生」からの脱却ではないかと思っています。
 私は、「自立」とは、自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の心で感じ、自分の命を燃やして生きていく こと、「共生」を、千変万化の時の中で、万物を慈しみ感謝し、慎み深く、互いを支え合い、ともに生きる責任 を果たすことと定義しています。このことは地域や社会にとっても、個人にとっても、あるいは地球人と しても、今後の指針となる考え方に違いないと思いますが、その実現のために、私たちには、互いの自立性 と異質性を尊重し合う心と、自己による意思決定が強く望まれるでしょう。
 今回の、生涯学習特別講義は、これまで、年齢や性差の問題として語られてきた「自立」と「共生」の概念 を超えて、心身ともに豊かな「老い」をめざす、私たち「人間」ひとりひとりが、「自立」と「共生」の新しい考 え方を理解するうえで、貴重な体験となったはずです。


目次
要介護予防からアクティブ・エイジングへ 柴田 博(人間総合科学大学 保健医療学部 学部長)
高齢者のこころとからだ―栄養と運動から 小林 修平(人間総合科学大学 人間科学部 健康栄養学科学科長)
心身ともに豊かな老いを生きる、抗加齢の仕組み 近藤 昊(人間総合科学大学 大学院教授)
パネルディスカッション 柴田博、小林修平(コーディネーター)、近藤昊、中山和久(司会)

HAS(Human Arts and Sciences)第7号 特集
「死への準備教育~あなたは死をどう迎えますか~」

HAS7号   人間総合科学大学2009年度第3回生涯学習特別講義「死への準備教育~あなたは死をどう迎えますか~」(2010年3月13日開催)の講演録をまとめたものです。

死への"よりよく生きるための知恵"
 人間は最期の瞬間に向かってどのようによりよく生きるのか――この表題は、一見パラドクスのように見えますが、その意味は、今回の生涯学習特別講義「死への準備教育」の、アルフォンス・デーケン先生の講演録を読んでもらえると、非常に納得できるのではないでしょうか。ここで私は、death educationによって得られる「知恵」と心身健康科学との関係に焦点を絞ってお話したいと思います。
 心身健康科学の対象とするテーマの中に「いのちの誕生の意味と、いのちの連続性を知る」という大きな命題があります。この命題は「死とどう向き合うか」、いうなれば「どう生きるか」ということにもつながります。
 そこで心身健康科学における「いのちのつながり」をいくつかのレベルに分けて見てみます。
 まず、地球上のあらゆる生命は、三十数億年前に誕生した原初的な生命体が分化し、いのちのつながりの中で存在しているということ。これが生命そのもののつながりです。
 また、人間は、その誕生以来、他の哺乳類と同様に(贅沢を極めない、無駄な食を慎むといった前提を踏まえて)複雑な食物連鎖の中で他のいのちを食し、いのちをつなぎます。これが自然とのつながりです。
 かつて親の暮らしは、子から孫へ口伝し、しつけという形でつながっていました。これが世代のつながりです。近代以降は、その役割を教育が担っています。
 文化もまた言葉を介して伝播します。人類が印刷機を発明して以来、文化は書物という道具を使ってつながってきました。現代では書物の代わりに情報機器がその役目を果たしていますが、これが文化・文明とのつながりです。
 さらに人間は1つの受精卵から出発し、個体が死ぬまで、その構成単位である細胞は、死と再生を繰り返し成長し続けます。これが成長のつながりです。
 また人間は親からの愛情を受け、社会からの教育を受け、成長し、社会と関わり、親として子を慈しみ、自分の親を看取り、社会を退き、生涯を終えます。これが社会とのつながりです。(これらの例は単純な図式ではありますが)私たちは、このようなたくさんのいのちのつながりに支えられて生まれ、そのつながりの中へと死んでいくのです。
 日常を振り返ると、私たちは、後悔を繰り返しながら生きています。よりよく生きることがたやすいことではないことを体験的に知っています。死に際してだれもが、人生を生きてきて「よかった」というあたたかな感情と感謝と、自らをたたえる心境に至りたいと願っています。そのために、私たちは、たくさんのいのちのつながり=いのちの誕生の意味と、いのちの連続性を知り、自身の一度限りの生涯を悔いなく生き切ることが大切です。ですから表題にある「死への"よりよく生きるための知恵"」とは、悔いなくよりよく生ききるための知恵でもあるのです。


目次
死への準備教育 アルフォンス・デーケン(上智大学名誉教授)
日本人の他界観―「死への準備教育」の手がかりとして― 大東俊一(人間総合科学大学 人間科学部 人間科学科 学科長)
終末期とリビングウィル―生命科学と生命倫理の立場から― 青木清(人間総合科学大学副学長、同大学院人間総合科学研究科長)
死の覚悟を学ぶ―現代の巡礼から― 中山和久(人間総合科学大学 講師)
パネルディスカッション アルフォンス・デーケン、青木清、大東俊一、中山和久、久住眞理(人間総合科学大学学長)

第6号 特集
「こころとからだをストレスから守る仕組みを探る」
「痛みは何故あるのか―防御あるいは罰?―」

「こころとからだをストレスから守る仕組みを探る」 人間総合科学大学2009年度第2回生涯学習特別講義「こころとからだをストレスから守る仕組みを探る」(2009年11月14日開催)、2009年度人間総合科学大学鍼灸医療専門学校記念講演「痛みは何故あるのか-防御あるいは罰?」(2009年7月24日開催)の講義録、および2010年3月に提出されて2009年度心身健康科学調査班の調査報告をまとめたものである。

いのちを守るシステムとしての「アロスタシス」、「痛みの機構」
 今回の本誌の鍵となるテーマは、ストレスの新しい概念であるアロスタシスと、人間の痛覚についてです。アロスタシスについては、ブルース・S・マキューエン博士の、また痛覚システムについてはロバート・F・シュミット博士の講演録をお読みいただきその詳細を理解していただきたいと思いますが、ここで私は、「物質」と「生命」の関連からアロスタシスを、そして「生命」と「精神」とのかかわりという視点で痛みの機構について少し考えてみます。
 現在、タンパク質の研究が進んでいますが、そのひとつにストレスタンパク質の働きに関する研究があります。このストレスタンパク質は、外部からストレスが加わると現れるもので、壊れかけたタンパク質の本来の機能を修復したり、壊れるのを防ぐ機能を持っています。また最近の研究では、ストレスタンパク質が、生物の進化にも影響していることが分かってきました。すなわち生物は、(物質である)タンパク質というミクロなレベルで見ても、ストレスを乗り越えることで進化してきたのです。言い換えれば生物はアロスタシスの状態、いわゆる生体が安定状態を維持できるように変化し、それが進化へとつながっていくと考えられます。
 一方、シュミット博士の講演テーマである痛覚システムも、いのちを保つ機構です。痛みは危険を伝える重要で原初的な生体防御システムであることが報告されていますが、さらに痛み=危険を警告する情報は、脳内の扁桃対に直接伝えられ、味覚や嗅覚など人間の本能的な嗅覚の形成にも影響していることが明らかになりつつあります。つまり痛みは、ヒトの「生命」を危害や危険から守る警報として機能しているだけでなく、感覚の形成、ひいては精神の形成にも関係していて、人間が生き残る上で欠かせないシステムとしての進化を遂げ、現在も私たちの中で働いているのです。
 今回、ご講演いただいたマキューエン博士とシュミット博士は、2009年に京都で開かれた第36回国際生理学会世界大会(IUPS2009)に招待されて世界的に著名な研究者です。そのお二方のご講演をあわせて拝聴することができた幸運に大変感謝しています。また、心身健康科学では、科学技術がこれまで「物質」から「生命」の探求へ向かい、そして今後「精神」の究明へと進展していくだろうという考え方を持っています。その意味でお二方のご講演は、「物質」「生命」「精神」のそれぞれのかかわりを示す概念であるという点から、私たちが構築しようとしている新しい科学領域の重要なファクターであると感じています。同時に、私自身、改めていのちを守るための、人間の巧妙な心身の仕組みを改めて認識した次第です。

目次
特集1 こころとからだをストレスから守る仕組みを探る

ストレスの仕組みと心身の健康 鈴木 はる江(人間総合科学大学・大学院 教授)
ストレスとアロスタシス 久住 武(人間総合科学大学・大学院 教授 人間総合科学大学心身健康科学研究所副所長)
心身の健康と社会環境-ストレスにおける脳の中心的な役割 ブルース・S・マキューエン(ロックフェラー大学神経内分泌学研究所所長)
<翻訳>新井 康允(人間総合科学大学人間科学部学部長)、小岩 信義(人間総合科学大学心身健康科学研究所主任研究員 人間総合科学大学講師)
パネルディスカッション 新井 康允、林 縝治(人間総合科学大学客員教授) 、久住 武、鈴木 はる江、小岩 信義

特集2 心身健康科学調査班報告書2009

01 はじめに:心身健康科学調査班の調査活動について 調査班班長 久住武(人間総合科学大学・大学院 教授、心身健康科学研究所副所長)
02 Bruce S. McEwenと語る「新しいストレス概念」in Kyoto インタビューイ:ブルース・S・マキューエン(ロックフェラー大学)<翻訳>:小岩信義
03 調査報告レポート
(1)エストロジェンの作用と心身健康科学・・・鍵谷方子(人間総合科学大学 講師)
(2)脳科学の視点からブルース・マキューエンの研究と心身健康科学との接点を考える 小岩信義(人間総合科学大学講師、人間総合科学 心身健康科学研究所主任研究員)
(3)アロスタティック負荷がもたらす海馬萎縮へのコルチゾールの作用機構 庄子和夫(人間総合科学大学 准教授)
(4)ストレスとアロスタシス 久住武(人間総合科学大学・大学院 教授、心身健康科学研究所副所長)

特集3
痛みは何故あるのか―防御あるいは罰?―
 ロバート・F・シュミット名誉教授(ドイツ・ビュルツブルグ大学)
<翻訳>
鍵谷方子(人間総合科学大学 講師)

HAS(Human Arts and Sciences)第5号 特集
よりよく"老い"を生きる~あなたは"老い"をどう生きますか~

HAS5号   人間総合科学大学 2008年第3回生涯学習特別講義「よりよく”老い”を生きる~あなたは”老い”をどう生きますか~」(2009年3月14日開催)の講演録をまとめたものです。

『「老い」を、生命、健康、生涯の連続的なあり方として考えていく
私たち日本の文化には、若さよりも「老い」を尊ぶ文化がありました。特に江戸時代、当時の多くの文献には「老後」という言葉は使われておらず、その代わりに「老入」という言葉が多用されています。 つまり、「老い」は人生のエンディングではなく、ライフサイクルの一つのスタートであることですが、江戸時代の人々は、「老い」を発達段階のひとつの入り口であると考えていたと見てもよいのではないでしょうか。 関連して、禅の文化を海外に広めた仏教学者・鈴木出拙は「90歳にならなけばわからないことがある」と述べて、人生における「老い」の大切さについて重要な示唆を示しています。 つまり、「老い」とは、それまでの時間の蓄積であり、これまで生きてきた「生い」の集大成でもあるのです。これは、心身健康科学でいう生涯発達、つまり生涯を通じて人の発達を考える、ライフサイクル全般を人間の成長期であるという考え方に通じるものがあり、すなわち「老い」も、発達段階のいちステージとしてとらえて、高齢期の身体的・精神的発達の軌跡を、幼少期から青年期、さらに壮中年に続く、生命、健康、生涯の連続的なあり方として考えていくというものです。
今回のテーマ「よりよく”老い”を生きる」では、高齢化社会に生きる知恵について、本学・建学の精神に示された「こころ」「からだ」「文化」の3つの領域を統合し、さまざまな「老い」「生い」の姿をとらえ、私たちが提唱しているライフプロモーションという新しい概念(「いのち」の運用)のひとつの側面を示します。』巻頭言より

目次
文化・社会環境から“老い”を考える 大東 俊一(人間総合科学大学 人間科学科学科長)
ライフサイクルから“老い”を考える 佐藤 優子(人間総合科学大学教授)
社会保障政策から“老い”を考える 阿部 正俊(人間総合科学大学 特任教授)
終末期医療から“老い”を考える 青木 清(人間総合科学大学教授)
ディスカッション久住 眞理(人間総合科学大学学長)、大東 俊一、佐藤 優子、阿部 正俊、久住 武(人間総合科学大学教授)

HAS(Human Arts and Sciences)第4号 特集
脳と心の進化~なぜ宇宙は人類をつくったのか~

HAS4号  人間総合科学大学 2009年第1回生涯学習特別講義「脳と心の進化~なぜ宇宙は人類をつくったのか~」(2009年7月11日開催)の講演録をまとめたものです。

 『「いのちは繋がっている」
 今、私たちは、現実に多くの問題を抱えながら、日々時間に追われ、何かに迫られるような思いで生きています。
 今回の生涯学習特別講義では、ふと歩みを止めて、遠い人類の歩みに思いをはせ、さらに地球、宇宙という極大な空間へと想念を広げ、インフレーションを起こした宇宙誕生まで遡り、私たち人類の「立ち位置」について考えてみた。私たちは、宇宙の誕生から、地球の誕生、その地球に生命が生まれ、人類の祖先が誕生し、ホモ・サピエンスとして進化してきたのだ。その意味で、人類は、物質、そして遺伝子という生命の連続性の中に生きていることが理解できる。
 一方で、視点を大きく転換し、私たちのからだを形づくっている、臓器や器官、さらに細胞や有機分子に目をむけ、より微細な世界を探りながら、私たちヒトの「立ち位置」を考えてみる。すると、私たちが、ひとつの受精卵から出発し、成熟した個体としてこの世に生まれ、成長、発達をとげ、次の世代へと遺伝子を伝え、そして老化、死へと向かう生命の連続性の中に存ることが実感できる。
 それは、137億年前から今日に至るまでの「いのち」が繋がっているということでもある。私たちは、その「いのち」の繋がりのダイナミックなプロセスを踏んで、いま、この場に、存在する。今回は、短い時間ではあるが、生命科学の、脳科学の、宇宙物理学の、分子生物学の、それぞれの立場から、私たち人間の「立ち位置」について議論した。 』巻頭言より

目次
いのちは繋がっている 久住 眞理(人間総合科学大学学長)
なぜ宇宙は人類をつくったのか 桜井 邦朋(早稲田大学理工学部総合研究センター客員顧問研究員)
脳の進化、こころの深化 大隅 典子(東北大学大学院医学系研究科教授)
人類の進化 青木 清 (人間総合科学大学教授)
進化は偶然の結果なのか、必然の結果なのか-呼吸をめぐって 庄子 和夫 (人間総合科学大学准教授)
われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこに行くのか-宇宙物理学、脳科学、生命科学、分子生命学から- 久住 眞理、桜井 邦朋、大隅 典子、青木 清、大東 俊一(人間総合科学大学人間科学部学科長)、久住 武(人間総合科学大学教授)

HAS(Human Arts and Sciences)第3号 特集
Knowledge for well-bing -よりよく生きるための知恵 ~「こころ」と「からだ」の健康を科学する~

HAS3号  心身健康科学シリーズ発刊記念講演として開催された人間総合科学大学・2008年第1回生涯学習特別講義「Knowledge for well-bing -よりよく生きるための知恵 ~「こころ」と「からだ」の健康を科学する~」(2007年7月12日開催)の講演録をまとめたものです。

 『「こころとからだの調和によって、本来の「生」が活動する」
 かつて健康は、病気ではないことと思われていた。しかし、それは形だけのものであってひとつの現象でしかない。人間は常に連続する「生」「老」「病」「死」のあいだに存在する。ゆえに心身の調和こそ、本来の健康なのである。だからこそ「人は、からだが病気を患っていたとしても、こころまで病ませてはならない。逆にこころがいかに病んでいるからといって、からだまで傷めてはならない」のである。この点については、私の講演録を読んでいただきたいが、実は日々の平穏、平和という概念にも“調和”という考え方が必要である。さらに創造的な「知」(と「未知」)についても同じ考え方が通用するだろう。今回の生涯学習特別講義<「こころ」と「からだ」の健康を科学する>では、私なりに“調和”という視点からそれぞれの先生方のご講演を拝聴した。 』巻頭言より

目次
こころとからだの調和によって、本来の「生」が活動する 久住 眞理(人間総合科学大学学長)
ヒトはなぜ病気になるのか-進化生物学からみた「よりよく生きるための知恵」 長谷川 眞理子(総合研究大学院大学先導科学研究科教授)
脳、こころの健康 久住 武(人間総合科学大学教授)
こころ・脳の発達を考える-大人の脳に神経細胞の新生はないというドグマは死んだ 新井 康允(人間総合科学大学人間科学部学部長)
脳・こころと身体の相互作用のメカニズムの基礎 鈴木 はる江(人間総合科学大学教授)
ポジティブヘルス(積極健康)とヘルスプロモーション 川口 毅(人間総合科学大学教授)
現代人に必要なメンタルヘルスマネジメント 筒井 末春(人間総合科学副学長)
心身健康科学がめざすもの-Knowledge for well-bing 久住 眞理(人間総合科学大学学長)

HAS(Human Arts and Sciences)第2号 特集
現代の家族を考える-家族病理と心身のケア-

HAS2号  転換期にある現代家族の問題点をテーマに開催された人間総合科学大学・2007年度第1回 生涯学習特講「現代の家族を考える-家族病理と心身のケア-」(7月14日開催)の講演をまとめたものです。

目次
家族病理の実際と臨床 斉藤 学(家族機能研究所代表 アライアント国際大学/CSPP臨床心理学大学院主任教授・精神科医)
難聴を主訴とした例から家族を考える 久住 武(人間総合科学大学教授)
現在の家族を考える 家族病理と心身のケア-「問題」を持つ子と家族のサポート 中野 博子(人間総合科学大学教授)
障がいをもつ子供の同胞のケア 島田 凉子(人間総合科学大学教授)

HAS(Human Arts and Sciences)第1号 特集
脳を育む、心を育てる~心身の成長と脳の発達~

HAS1号    最先端の脳科学の研究者や教育者が参加し、乳幼児の発達、性の分化、発達段階の脳の役割、脳と心の教育、脳科学とよりよい生…といったテーマで開催された人間総合科学大学・2006年度第4回 生涯学習特講「脳を育む、心を育てる~心身の成長と脳の発達~」(3月17日開催)の講演をまとめたものです。

『「脳を育む、心を育てる~心身の成長と脳の発達~」
私たちは、「こころの座」といわれる脳の働きによって、物を観察することや感情を表現すること、経験した物ごとを記憶したり、主張を訴えたりすることができます。脳は、100億個以上の神経細胞と、総数10兆個にも及ぶ神経細胞同士の結合によって、神経ネットワークを形成し、相互に情報交換を行っていますが、この情報交換によって、私たちは高度な精神活動や行動を実現し日常生活を営むことができます。また、人間は、言語と文字を創造し、脳の内側にある情報を、他者に伝え、身体の外側に記録することを可能にしました。その結果、人間同士が情報の共有を果たし、さらに歴史という時間の中で文化を継承していくという営為を手にしました。
 2007年3月17日(土)、人間総合科学大学において開催された2006年度第4回生涯学習特講「「脳を育む、心を育てる ~心身の成長と脳の発達~」では、最先端の脳科学の研究者や教育者が参加し、乳幼児の発達、性の分化、発達段階の脳の役割、脳と心の教育、脳科学とよりよい生…といった幅広いテーマで、心身の健全な成長と脳の発達の関連を議論しました。
 本誌は、その際の講演録を収録したものですが、この生涯学習特講は「今の時代に“よりよく生きる”ことを希求する人々」に“学び”の機会に遭っていただきたいという人間総合科学大学の教育理念を背景に開催されています。
 「こころ」と「からだ」と「文化」の3つ領域から人間諸科学を構成し、これらを学際融合的に統合しながら「人間をより深く理解する」ことを目的にした人間総合科学から、脳科学への新たなアプローチがこの小冊子に収録されています。 』巻頭言より

目次
乳幼児の発達とストレス 久住 武(人間総合科学大学教授)
脳の性の分化-”らしさ”を育む脳科学 新井 康充(人間総合科学大学人間科学部学部長)
脳を育む母子間のバイオコミュニケーション 和田 圭司(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第四部部長)
情動発現と社会的認知機能の発達における扁桃体の役割 西条 寿夫(富山大学大学院医学薬学研究部システム情動科学教授)
脳・心と教育 小泉 英明(日立製作所基礎研究所役員待遇フェロー)
人間総合科学と脳科学-新しい科学から学ぶ”よりよい生”の原点 久住 眞理(人間総合科学大学学長)



申込方法
代引決済による方法…代金と引き換えにお届けします(通常、佐川急便を利用します)。本学ホームページから申込書をダウンロードして所定欄に必要事項を記入し、FAXまたは郵送にて人間総合科学大学事務局宛てお送りください。通常ご注文から3~7日程度でお届けいたします。尚、お客様のご都合による返品・交換はお受けできませんので、予めご了承ください。
価格 : 第6号1400円(税込) 第8号、第7号、第5号、第4号、第3号、第1号1200円(税込) 第2号1000円(税込) 造本体裁:A4
送料 : 全国一律450円。ほかに代引手数料315円がかかります。

郵便為替による方法(1冊のみのご注文の場合)
申込用紙をダウンロードの上、記入し価格分の郵便為替、郵便切手270円分と申込用紙を送付ください。
申込用紙が届き次第、郵便にて送付いたします。

HAS申込書ダウンロード

YOSHIO NAKAJIMA ARTS in University of Human Arts and Sciences

人間総合科学大学では、「教育と芸術の融合」をテーマに「YOSHIO NAKAJIMA ARTS in University of Human Arts and Sciences」を平成22年1月4日に発行いたしました。